カーセキュリティー装置の具体的な製品選び

 ご自分に合ったカーセキュリティー(アラーム)製品の選び方について具体的に詳しく解説します。アラームには簡易型と専門知識が無いと取り付け不可能な製品とに2分されます。

 簡易型は製品が低価格であり取り付けも簡単です。一方、施工が必要な物については本体以外に施工料金もそれなりの価格です。これは前述の通り、アラームは半製品と言う事です。(建築で言えば材料であり、大工さんの工賃は別であるのと同じです。)

1.安価が魅力だがお勧め出来ない超簡易型

簡易型アラーム サンバイザーに装着するタイプの様な極端な簡易型は気休めにしかならないでしょう。これらの製品はあまりお勧め出来ません。気の弱い窃盗犯等には威嚇になるかも知れませんが、何もアラームが装着されていないよりはマシ程度と思って下さい。実際私はこの手の製品を装着していた時期が有りますが、結局車上荒らしにやられてしまいました。

 誤作動も多く使い辛い点も指摘されています。トラブル回避の為、あえてここでは商品名は明記しませんが購入後多くの方が買った事を後悔する製品です。但し、外部サイレンを装着したりするとある程度は効果が望めるかもしれません。これらの製品も改良が進み、今後に期待したいところです。

2.誤作動が心配な一体型

 入門機として多くのカー用品を扱う大手量販店で良く見かけるのがこのタイプです。取り付け自体はあくまでも簡易型ですので量販店のアルバイト店員でも取り付けが可能です。基本的には本体内に各種センサーを保有している為、取り付け場所によっては誤作動が多いのが欠点です。誤作動に悩み、上位機種への移行者も多い製品です。

3.車上荒らし対策に有効な中級機

 施工に関して、メーカーから認定販売店制度を実施している製品がこの部類に入ります。例えば代表的な製品でGrgo(ゴルゴ)、VIPER、CLIFFORD MATRIXが挙げられます。中級機クラスになると各種センサーもそれぞれ適した場所への設置が可能であり、誤作動が少なく十分実用的な製品だと言えます。

4.車両盗難対策に有効な上位機種(Grgo、Panthera)

 カーセキュリティー(アラーム)製品の中で有名なのがCLIFFORDです。圧倒的な信頼性、ネームバリュー、リモコン等の高級感(作りの良さ)、そして防犯性能。G4シリーズでは若干の感度に対する不満も一部では有ったものの、既に世界最高峰性能として認められ続けていましたが、2003年後期にG5シリーズとしてモデルチェンジがなされ、名実共に最高峰としての地位を不動の物にしました。

   CLIFFORDは車両盗難対策としてはイモビライザーを標準搭載(下位機種以外は2ポイント搭載)し、カージャック対策や自動イモビライザー機能等強力なセキュリティー機能を搭載しています。

  しかし、その後2004年には海外製品が圧倒的なシェアを持っていたカーセキュリティー市場に、国産メーカーの本格的な参画が行われ始めました。国産メーカーは日本の環境・車種・法律にも対応した製品を次々に開発し、特に新しい技術が投入された新型車種についてもいち早く対応がされています。

 国産の製品は改良サイクルも早く、海外メーカー製品のものと比較しても防犯レベルは同等かそれ以上となっています。

 CLFFORDは2007年以降モデル名が若干変わりましたが、結果的にはリモコン形状やセンサーの組み合わせとモデル名の変更だけで、もはや古さを感じる製品となりました。
 そしてこのCLIFFORDに対抗して作られた国産初の本格的な盗難防止装置が、パンテーラ(Panthera)です。

  実は私の車にもこのパンテーラの最高峰であるZ901を装着して使っています。このパンテーラはページャ機能を標準で装備し、先進的なイメージを感じるリモコンが特徴の新しいアラームです。機能的にもかなり至れり尽くせりの満載機能で、現時点これほどの機能を有するアラーム製品はございません。

 しかし・・・実際に使用してみると、自宅から直線距離200mの通知が出来ず、若干残念なのは操作や設定のしかたが使い難いと感じます。

パンテーラの良い点

①ページャが標準で装備される。
②ベースグレードを装着しても、オプションの追加で上位グレードにステップアップ
 可能。
③ボイス好きな人に対しては嬉しいボイスオプションが存在する。
④国産製品
⑤サイレンの音量を簡単に調整可能。
⑥車両側の警告音や警報音をカットし、ページャによる通知のみの使用も可能。
 (近所迷惑を特に気にしている方はお勧め)

  2代目改良後のパンテーラ製品では若干の改良も行われ、盗難防止機能やユーザーの駐車環境に合わせた警告方法変更など、CLIFFORDには無い充実した機能になり、防犯性能や機能はCLIFFORDを超えていると思います。性能面を追及したい方にはCLIFFORDよりもパンテーラが現時点お勧めです。

注目の製品、Grgo(ゴルゴ)

  そして、このパンテーラを使い易く改良した製品がGrgoです。複雑な操作を無くし、誤操作対策も十分に考慮された注目の製品です。若干パンテーラより細かな調整機能は省かれておりますが、値段はCLIFFORDやパンテーラよりも安く、防犯性能も追加オプションにより向上させる事が可能です。

 標準では1ポイントのイモビライザー装備ですが、これも追加オプションにより2ポイントの盗難防止装置レベルへステップアップ可能です。純正イモビライザーが装備されている車なら十分な機能を有するお勧めの製品と言えます。

※ 最新機種 Grgo FZ series のリモコンに見る改良点の例

GrgoリモコンGrgoリモコン

 リモコン表示は直感的なイメージをメインに見やすくまとめている。ケース自体の塗装も剥げないようにコーティングされているらしい。

Grgoリモコンケース電池ケースは工具無しで開ける事が出来、かつ適度なロックで質感が向上した。

 

 

 

 実はこれからアラームの装着を考えられる方に、現在一番お勧めしたい製品がGrgoです。国内メーカーの強みを生かし製品改良のテンポも早く、日本の電波法やVASなど色々な日本の国内法にいち早く対応しております。

  リモコンの質感も高く先進的で拡張性もあり、しかも簡単操作が可能です。以前はCLIFFORDが一押しでしたがGrgoが発売され、やっと国産のカーセキュリティー製品をお勧め出来るようになりました。 (ちなみに私はCLIFFORDユーザーで、今迄多くの方々にCLIFFORDをお勧めして来ましたが現時点のお勧めはゴルゴです。)

  上記でご紹介したカーセキュリティー製品はセンサーのビス留め指示や、メーカーから認定販売店にのみの情報として製品自体の加工指示も有り、配線施工に関して素人が簡単に出来る代物では有りません。

 施工中、誤った配線を行えば本体内の回路が焼けてしまったり、車自体の配線を傷めたり、車両のコンピューターに悪影響を与えてしまう恐れも有ります。装着もメーカー自体が正規販売店のみ施工を許可している製品です。

5.具体的な製品名について

レベル 機種名・
ブランド名
ワンポイントアドバイス 車上
荒らし
対策
車両
盗難
対策
上級機 Panthera
(パンテーラ)

先進的な機能を多数持ち、ユーザー自身が駐車環境に合わせた細かな設定が出来ると言う多機能で高性能なカーセキュリティー製品。若干使い勝手の面での改善が望まれる。防犯性能も機能もCLIFFORDを越える製品であるが、価格もCLIFFORDを越えている。

CLIFFORD
上位機種

Intelliguardシリーズ以上は高性能かつ誤報の少なさは優秀だが、現時点では新技術の投入が数年停滞気味で古さは否めない。 リモコンも無駄に大型化した感がある。

Grgo
(ゴルゴ)

注目の新製品。国内メーカーが意欲的に改良・開発を進めている製品で、操作性・防犯性能、価格面でもバランスが良い。現時点で、カーセキュリティー製品の装着を検討中の方には一押しの製品です。

中級機 CLIFFORD
下位機種

MT車かつ盗難多発車には不向き。中級機の中では高額な商品なので現時点ではあまりお勧め出来ない。モデル自体も古さは否めない。

VIPER

車上荒らし対策にお勧め。ボイスモジュールはファッション的に人気。基本的な性能は優れている。但し、駐車環境に合わせたモード切替操作に、必ず確認音が出てしまうので使い勝手が悪い面も有り。

CLIFFORD
MATRIX
車上荒らし対策にお勧め。内容はVIPER。
CODE ALARM

取り扱い店が少ない。誤報も多く、センサー調整がユーザーでは行えないのが難点。リモコンの耐久性にも問題あり。

FORCE F3000

エンジンスターターにアラーム機能をプラス。しかし、エンスタ時にチャープ音が鳴るため静かな駐車環境での使い勝手は悪い。

CEPTER9001 取り扱い店が少ない。
ミレニアムMAX 取り扱い店が少ない。
入門機 HORNET 多くのカー用品量販店で装着が可能。盗難多発車種には不向き。
簡易型
(掲載不可)
手軽だが効果には疑問が残る
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注意)上記一覧表はあくまでも私の主観にて判断しております。
     盗難後の車両発見を目的としたココセコムの取り付けは、上記製品に
    係らず単独で設置可能です。

 ちなみに私は1台の車に、CLIFFORD AG5 と、Panthera Z901を両方実際に装着して使用しております。また、他のアラーム製品も17年前より多種多様な物を装着して使って参りました。上記の製品全てを使用したわけではございませんが、私なりの評価を行った結果を一覧表に掲載しております。

6.機能のみ注視すると失敗する

 機種選びの際、実際に自分がカーセキュリティー装置を操作する時間帯や使い方、駐車環境を考慮した製品選び、情報収集が必要です。アラームの機能だけを注視するのではなく、操作時の操作音の発生有無や拡張性、上位シリーズや他製品との違いまでを十分に理解した上で製品選びを行う事をお勧め致します。

 特に操作音の有無や日頃の操作に関しては、使ってみてから「あれっ?」と気が付かれる方が多いのが現状です。

 例えば・・・操作音。普段駐車している場所が閑静な住宅街で、その場所では操作音は鳴らしたくないと言う場合、機種によっては面倒な操作が必要だったり、音を発しなければ操作が出来ないものも有ります。

 もう一つの例はエンジンスターター。製品によってはリモートエンジンスタート時に警告音が必ず鳴ってからしかエンジンが掛からない機種も有ります。早朝、近所迷惑を考慮し、せっかく取り付けた機能なのに使えないと言う事例も有ります。意外と重要なこの違いに気が付かないで装着されると後悔します。

7.お勧めは中級機以上

機種選びの結論を申し上げると、やはり中級機以上の製品を装着するのがお勧めです。勿論入門機をご自分で装着する事も、何も対策を講じないよりは正解です。ご自分の予算や環境、車種によって対策方法を検討してみて下さい。